ザプフェは「人間は人間にならないように全ての時間を費やしている」と主張
人間特有の成熟した意識は過去から未来の予測を可能にする
これは人間を人間たらしめるものだ。
意識の苦悩①(死について)
いずれ死ぬという確信は生の欲求と摩擦を起こし
苦痛を生み出す要因となる
意識の苦悩②(生について)
人生の意味を求める性質はそれを満たされないために
苦痛を生み出す要因となる
どうやっても苦痛
シオラン「希望とは未来につく嘘のことである」
ザプフェ「人間は人間にならないように全ての時間を費やしている」
そのような苦しみを完全に断ち切るには人類が絶滅するしかない
意識の要請(人間を人間たらしめるもの)
から身を守るための4つの防衛機構
①孤立
意識がもたらす破滅的な思考や感情から恣意的に離れる働き、生への失望を見ないようにする
②固定
意識の内部にある固定点を用意することで、その点に注意を向け、本質から目をそらす働き
例)神・宗教・道徳・国家・運命・未来
③気晴らし
精神が意識に集中することを防ぐためにエネルギーをタスクやアイデアに集中させる働き、何か別のことに集中して内面への集中を回避する
④昇華
芸術や自己表現などでネガティブな思考をポジティブな思考に変化させようとする働き
人間はあらゆる努力ををして意識が本質的に抱えている苦痛から目を反らそうとする
逆に言えばそれほどの時間と労力を費やさなければ、生の苦に対して抵抗することができない
まさに「人間は人間にならないように全ての時間を費やしている」
このような努力で人類は存続できるかもしれないけど
だったら最初からそんな努力が必要ない世界の方が圧倒的にいい