アリストテレスは幸福を卓越性の発揮とした。
アリストテレスは例として笛吹を挙げている。
笛吹的卓越性は笛吹固有の機能を発揮すること
充分にその機能を発揮した笛吹が「善い」笛吹
人間においては人間的卓越性を発揮することを幸福と考えた。
そして卓越性と「徳」は同義と主張
人間の性質を二分した際に
①分別を欠く部分
→本能(動物にもある部分)
②分別に基づく魂の活動
→人間にしかない固有の機能
②が人間の卓越性
②を更に分別すると
(1)倫理的卓越性(人柄の徳)
→道徳的に優れている
(2)知性的卓越性(知的な徳)
→頭の良さ的に優れている
(1)(2)の卓越性の十分な発揮が幸福の実現である
以下の内容は(1)に絞る。
(1)倫理的卓越性(道徳的に善い)はその人の習慣、行為から生まれる
善い建築家とは、実際に善い建築をする人のことであり、逆も然り。
つまり
善い人間になるためには善い実践が必要である。
行動が先である。
三種類の魂の活動と中庸
三種類の魂の活動
①感情
→快苦が伴う気持ちの在り方
②能力
→感情を感じるための力
③性向
→感情に対してどのようなあり方をしているのかという状態
性向=徳(1)
感情に対してどのようなあり方をすべきかというと
アリストテレスは中庸を推奨している
臆病ー勇敢ー蛮勇
であれば勇敢が望ましい
といった具合に
あらゆる状況で中庸的な在り方で、かつ行動で実践することが
(1)倫理的卓越性である。
中庸の把握は難しいので両端を知るのが簡単である。
自分のいる位置の両端から遠のくことで中間に近づく。
しかしそれだけで中庸を把握しきることはできない。
そこで重要になるのが
(2)知性的卓越性
である。